塩がないとしょうがない その2

前回から1ヵ月以上も

経ってしまいました。

何の話か忘れてしまった方も

いらっしゃるのではありませんか?

「塩」の話の続きです。

前回は減塩ばやりの風潮に「?」を投げかけたところまででしたね。

 

暴れる囚人に塩抜きの食事を与えると、おとなしくなるそうです。

このまま減塩運動が進み、スイーツなど白砂糖を使った甘味の摂取が増えると、

日本中に活力のない、不健康な人が多くなるのではないかと心配になります。

 

主婦の方はご存知でしょう、漬物を漬ける時、塩が足りないと腐ってきますね。

これは塩不足によって発酵菌ではなく腐敗菌が増えるからです。

私たちの体も同じように塩不足だと腸内の悪玉菌(腐敗菌)が増加し、

アレルギーや大腸がんになりやすくなるのです。

「塩」がいかに大切か。

それを原爆投下直後の長崎で、一人の医師が実証しています。

その方の名は秋月辰一郎さん(写真は平成2年頃)。

1945年8月9日、長崎に原爆が投下されました。

爆心地からたった1.4kmしか離れていない

浦上病院の医長だった秋月辰一郎博士と病院関係者は全員被爆しました。

博士は体が焼け爛れて痛がる人々に「水を飲んではいかんぞ!」と大声で怒鳴りました。

血液の濃度を保たせようとしたのでしょう(戦地で、重傷の兵士に水を飲ませると

すぐに死んでしまうという記録があるそうです)。

 

「爆弾を受けた人には塩がいい。玄米飯にうんと塩を付けて握るんだ。

塩辛い味噌汁を毎日作って飲ませろ。そして甘いものを避けろ。

砂糖は絶対にいかんぞ」(秋月辰一郎著「死の同心円―長崎被爆医師の記録・講談社刊)。

秋月博士は、レントゲン撮影後の「放射線宿酔」と言われる

全身の倦怠感などの症状には、生理食塩水より少し多めの

塩分を含んだ水を飲むといいことをとっさに思い出し、

原爆の放射能から体をガードするには

「塩が有効」であることを推理したのです。

砂糖を禁じたのは、砂糖は造血細胞に対する毒素であり、塩に含まれる

ナトリウムイオンは造血細胞に活力を与える、という博士独自の食養医学に基づいた考えでした。

 

すると、どうでしょう。塩を沢山つけた玄米むすびと塩辛い味噌汁(具は最初はかぼちゃ、

その後わかめが多かったそうです)を食べた人々や救助に当たった病院スタッフには

原爆症の症状が全く出なかったのです!

博士自身も90歳を過ぎ、平成の世になるまで長生きされています。

博士はまた、「味噌」が人体に大切であることを説いておられます。

博士の書いた「長崎原爆体験記」(日本図書刊行センター刊「日本 の原爆記録」第9巻に所収)

は、英訳されて欧米に出回りました。

そのため、チェルノブイリ原発事故のあと、ヨーロッパで日本の「味噌」が飛ぶように売れました。

商社を通してロシアからも大量の「味噌」の発注があったそうですが、

この事は余り日本では知らされていません。

 

塩と味噌と玄米。

とりわけ自然塩と発酵食品である味噌。

これらは私たちの生命維持に欠かせない何かがあるだと思います。

(玄米に関しては、最近の研究ではフィチン酸がミネラルの結合を妨げるので、

本当は体によくない、と言われています。)

どんなものでも摂りすぎはいけませんが、不足もまた考えものです。

塩分が適正に血液中に含まれているとHIVにも感染しにくいそうです。

行き過ぎた「塩分控えめ」の食事は、見直すべきではないでしょうか。

そして日本が誇る味噌・醤油・納豆のような発酵食品も忘れずに食べましょう。